こぼれおちたもの

2002年10月31日
時間が経てば
あんなに痛かったことや
あんなに幸せだったことを
少しずつ忘れていって
あなたのことも すこしずつ忘れていって
ひとつひとつ まるでこぼれおちるように

思い出すきっかけは なんでもないこと
遠く離れた場所で見た雨の滴や
図書館に並んだ背の高い本棚や
誰もいない教室の机の落書きや
そんなこと

思い出すのは なんでもないこと
あなたが持っていた傘の大きさや
あなたが読んでいた本の背表紙や
あなたが使っていた机の落書きや
そんなこと

少しずつ忘れていって
ひとつひとつ まるでこぼれおちるように
そして あなたの顔は もう思い出せない
 
 
 

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